昼間の風景に向かって三脚を立てて写真撮ってるのは何故なのか?

初心者向け

昼間の屋外って明るいですよね。
シャッタスピードも十分に出るので普通に撮れば手ぶれの心配はありませんが、
昼間に三脚立ててる人ってなんで三脚立ててんの?って気になったことありません?

昼間の景勝地でよく見かける三脚撮影

山や湖、川などなど・・・景勝地に行くと十分に明るい昼間にも関わらず、三脚を立てて撮影してる人、いますよね。カメラ初心者の頃の私にとっては不思議で仕方なかったこと。

「なんで三脚立ててんの!?」

って、思いません?
生き物を狙っているなら望遠レンズでガッツリ寄るので昼間でも手ブレしそうですよね。三脚立てるの分かる。乗り物を撮る場合も、構図を固定して被写体が通るのを待ちたいから三脚を立てる。うんうん、分かる。

でも何で、動きもしない風景に向かって、しかも十分に明るい中三脚立ててんの!?分からん!

今回はそうした人たちが、何故わざわざ三脚を立てているのか、考えられる可能性をお伝えしていこうと思います。

手持ちでは手ブレする撮影をしている

 

パンフォーカスを得るため

パンフォーカスと言うのは、被写界深度を深く(=ピントの合う範囲を広く)して、近景から遠景まで、つまり画面全体にピントが合っているように見えるようにする手法のことです。

要はボケの無いクッキリした写真を撮る方法のことですね。
被写界深度を深くすればいいので(厳密にはピントを合わせる場所にも留意する必要がありますが)、絞りを絞りこみます。つまりF値を大きくするのです。

絞りと被写界深度等の関係性については下記記事を参照ください。

カメラの絞りとボケと画質・・・F値によってどう変わるか見てみましょ


pixabayより

さて、パンフォーカスを得るためにF値をどのくらいに設定すればいいのか、という話ですが、人により意見が少し異なりますが、大体F8~F16位まで絞れば、手前から奥までピントが合っているように見えます。

F16というと、け~~~っこう絞ってます。ここまで絞ると、昼間でも場合によっては手持ちだとブレる位シャッタースピードが遅くなります。

少し迂回しましたが、これが答えの一つです。
昼間に風景に向かって三脚を立てている人たちは、絞りを絞り込んで撮影しているのです。こうなると昼間でも三脚を立てないと遅いシャッタースピードに耐えられないんですね。

スローシャッターで作品作りをしている

もう一つ、風景に対して三脚を立てている理由としては、あえてスローシャッターでの作品作りを狙っているケースがあります。

動かない風景でも、厳密に言えば動く部分がある場合があります。
それが、雲と水です。

ゆっくり動く雲をスローシャッターで撮ることで空に動きのある写真を作る、
あるいは水面を長時間露光で撮ることで波を打ち消す・・・

IMG_6584.jpg

そんな狙いがある場合には、スローシャッターにする必要があります。そうするとシャッタースピード数秒~数十秒に及ぶ撮影になるので、もちろん手持ちじゃとても撮りきれないので、三脚を立てるわけです。

同じ場所に固定するため

タイムラプス動画用の写真を撮っている

タイムラプス動画ってご存知です?

同じ構図で何百、何千枚という写真を撮って後から動画化することで、早送りのように仕上げる映像技法です。見れば「ああ!こんな感じのやつか!」って分かるはず。


Takashi Matsuo 様の動画

あ゛ぁ゛~~~~^^好きじゃあ~~~~~^^
というのはさて置き。

アングルや位置を少しずつ移動するような技法こそあれど、まさか手持ちで何百何千も同じ構図の写真は撮れないので、このような動画作りを狙っている人も三脚を立ててバシャバシャ撮っていることでしょう。

ベストな構図を吟味している

手持ちだとカメラを構える度に若干フレーミングがズレますよね。風景全体のバランスであったり、余計なものを写したくない場合は、三脚を立てることでじっくりと構図を吟味することが出来ます。
例えば
「あそこの電線は写したくないけどギリギリまでは写しとりたい・・・!」なんて時に三脚を立てていればゆっくり慎重にフレーミングを決めることが出来ます。

ベストな構図を一度決めれば、あとは何枚撮っても三脚なら当然構図がズレることがありません。

ベストなタイミングを待っている

三脚を立てて予め構図を決めた上で、何かしらのタイミングを待っている場合も多いです。

日の出や日の入りを待っていたり、実は生き物や乗り物を通るのを待っているのかもしれません。

時間やタイミング限定で起こる何かしらを捉えるために、先にカメラをセットして、黙々とその時を待っている可能性もあります。

場所取り

例えばダイヤモンド富士であったり、有名撮影スポットからの初日の出であったり、見る人が殺到しそうな被写体を狙う際に、早めに現地入りして三脚をバッチリ立てて、ベストなタイミングを待ちながら、これに場所取りも兼ねている場合もあります。

実行する際は現地での撮影マナーも気にかけましょう。

まとめ

昼間の屋外でもシャッタスピードが長くなる撮影って、撮影の狙いによってざらにあるんですよね。

その代表格がパンフォーカスやスローシャッターによる作品作りです。

こういう撮影のシチュエーションがあることを知らなければ、手持ちで撮ればいいじゃん!と思うかもしれませんが、無理なんですよね。

あとは同じ構図・場所を維持するためにも三脚は使用されます。いずれも、狙った写真をじっくり仕上げる為に使用されているイメージですね。

こう見ると、意外と昼間にも三脚が活躍するタイミングって多いものです!

以上、昼間の三脚の謎についてでした。私のように疑問に思ってた人がスッキリしてくれてたら嬉しいです。

ではでは。

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