可変NDフィルターって実際どう?気になるX状ムラの出具合を調査&レビュー

機材・道具

1枚で複数枚分の役目を果たせる可変NDフィルター。1枚もののNDフィルターと違い、X状のムラが出てしまうことがよく話題に上がりますが、実際どの位出るものなのか、実用する上でどこまで影響があるのか、調査してみたいと思います。

可変式NDフィルターを買った

NDフィルターって大抵1枚数千円のものですが、ND8、ND16、ND32、ND64・・・と各種揃えるとなるとお金はかかるわ、かさばるわで何気に大変です。

そんな人にオススメのアイテムとして、可変NDフィルターというものがあるわけです。私が今回購入した可変NDフィルターはアマゾンで売れ筋のK&F Conceptの可変ND8~ND128フィルターです。

こちらのK&F Conceptの可変NDフィルター、ND8~ND128までをたった1枚でカバー出来るスグレモノなわけですが、可変NDフィルターって品質が悪いものだとX字に明るさのムラが出来てしまうと指摘されることが多々あります。

K&Fの本商品は「X状ムラなし」と謳っていますが、実際どうなのか?撮影して確認してみましょう。

可変NDフィルター開封の儀

・・・と、その前に同商品を購入される方の参考に、どんな感じで届くのかお見せします。

箱はこんな感じ。かなりしっかりしていてワクワクが止まりません。そうそう、こういう滝が撮りたくて買ったんだよ。わかってるじゃあないの。

こんな感じで専用のケースに入っているので、持ち運び時はこれに入れておくとよいでしょう。こちらもしっかりとした作りで好印象です。蓋もしっかり堅牢に閉まってくれます。

レンズに装着するとこんな感じ。ちょっと径が大きくなったように見えますが、この上から元の径のレンズカバーを付けることも出来るので問題ありません。メモリの下のボコボコしたリングが回転するようになっています。

リングの回転は少し重めに作られているので、誤って触れてしまっただけで回転してしまう、といったミスを防ぐことも出来そうです。これまたよく出来ている印象です。

こんな感じで、●のポイントに矢印を合わせることでND値を調整します。

右の点から順にND8→ND16→ND32→ND64→ND128となっています。

1枚でNDフィルター5枚分だ。お得ですな。

X状ムラは発生するのか?

さて、「可変NDフィルターはX状ムラが出る」というのはそこそこ有名な話なのですが、各メーカー「そんなことないよ~~」とばかりに最近は商品名に「X状ムラなし」と記載して販売していることが多いのですが、ホントにホントにホントかな?気になりますね。言うは易し、なので本当に出来ているか見てやりましょう。

フィルターなし

こちらはNDフィルターを装着せず、ただの壁を撮った写真。

周辺の光の具合やレンズの周辺減光などもあるかもしれないので、完全に均一ではありませんが、これを基準に可変NDフィルターの段階によってどのように変化するのか、はたまた変化しないのかを見ていきましょう。

一気にいきますよ、フィルター無しの状態からND8~ND128まで、各段階でセットした時の映り具合を並べます。

ND値が上げれば上げるほどムラっけが出てきましたね。

ND16あたりまではなんとなくしか分かりませんが、ND32から両サイドがほんのちょっと暗いかな?という感じになってきて、ND128に至っては右下と左上の光量がガッツリ持っていかれてますね。

残念ながら、完全にX状ムラ無しというわけにはいかないようですね。

とはいえ、他の安価な商品のレビュー記事などを見ていると、ND128ほどの高い数値になるともっともっとたちの悪い、はっきり言って完全に使い物にならないレベルのX状ムラが発生しているものも見受けられます。

それに比べればまだLigthroomの段階フィルター・円形フィルター等を使用した補正でなんとか救えそうなレベルのムラに抑えられているので、優秀な部類なのかもしれません。

個人的にはND64以上は多く使用することはないので、ま、いっか~と目をつぶっている次第です。

濃いNDフィルターで本気の作品作りをしたいのならあまりオススメ出来ないですね。そのような場合は可変NDフィルターではなく、1枚もののNDフィルターを別途持っておいた方がいいかもしれません。

Kenko ND16(1枚もの)との比較

X状ムラ無しと謳っているとはいえ、
やっぱムラは出ちゃうか~・・・。

となると、気になるのは可変ではない、1枚もののNDフィルターと戦わせたらどのような差が出るか?という点です。

これは気になります。夜も眠れません。さっそく戦わせてみましょう。

比較対象は国内最大手のレンズフィルターメーカー、ケンコーのNDフィルター(ND16)。こちらは可変ではなく、1枚もののNDフィルターです。

左が今回購入したK&F conceptの可変NDフィルターをND16にセットした状態、対する右側がケンコーの1枚もののNDフィルター(ND16)を装着した状態の写り具合です。

だいぶ変わりますね。よりによってケンコーと戦わせて粗探しするのはいささか酷で悪趣味な気もしますが、まあ、そりゃあ違いはあるよね、ってことで。

その代わりケンコーのフィルターはちょっとお高いですからね。

お財布に優しいオールラウンダーを選ぶか、品質にこだわった高級品を買うか、といったところだと思います。

使用時にX状ムラは気になるか?

さて、可変NDフィルターで白い壁を撮るとムラが発生するのは分かりました。高い1枚もののNDフィルターにはさすがに敵わないのも分かりました。

でもそんなことはどうでもいいんです。

私たちがNDフィルターを装着して撮影したいのは白い壁じゃあないんですよ。滝ですよ、滝!(私の場合の話です。他にも用途は沢山あります。)

実際に風景を撮影した際に、X状ムラが作品の価値を損なうのか?見た目を著しく害するのか?そこが重要です。

以下、K&F conceptの可変NDフィルターを装着して撮影した滝や渓流の写真を掲載します。

X状ムラを隠すための補正等は施していません。

まだ最大でND32までしか使っていないのですが、正直、私の目では分かんないんですよね。まじで全然分からないんです。

先ほどのような比較を見せつけられると、左右に不自然な影を落としてしまうのでは・・・?と思ってしまうかもしれませんが、正直全然余裕です。

目が肥えた方はもしかするとこれを見て「あちゃ~(笑)」等と思うのかもしれませんが、少なくとも私はまだその域には達していません。

これを見て「おっ、X状ムラとか言うけど、別にノーダメやんw」と思えるなら、便利さと安さ相まって「買い」じゃないかな~と思います。

まとめ

割と酷な検証をしてしまい、disる方向に行くのかと思われたかもしれませんが、正直ね~、めっちゃいい買い物したと思ってるんですよ。実に気に入っているんです。

今までケンコーのND16しか持っていなかったので、長らく「このフィルターだけで対応できるかな・・」「現場が明るかったらもっと濃いNDフィルターが必要だったりして・・」と悶々として生きてきましたが、これ一枚持っているだけでだいぶ開放されました。

実質5枚分のフィルターを持っているわけですから、とりあえずどんな状況でも対応できる!と思えるのは非常に心強い限りです。

もちろんどんな状況でも最高クオリティを出せる!というわけではありませんが、十分及第点を超えてきてくれていると思います。

可変NDフィルター、とりあえず1枚持ってるとそこそこ心強いので、オススメです。

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