脱カメラ初心者の登竜門!?水族館撮影で押さえておきたいポイント

初心者向け

水族館とは、暗いのに素早い動体がいるというカメラにとって地獄のような場所です。暗いからブレがちですし、動く魚にピントを合わせるのも難しい。

シビアな環境下だからこそ、状況に合わせてカメラの設定を柔軟に変えながら立ち回ることが出来るようになれば少しカメラにも詳しくなれたかな?と思えるかもしれません。

水族館はカメラにとって地獄

「暗い」「動く」「早い」の三重苦といっても過言ではない水族館という環境は、
オート任せでパシャパシャ撮っている初心者カメラマンさん方をばっさばっさと容赦なく斬っていきます。

そんな環境下でよくある失敗写真は二通り、ボケブレです。

  • フォーカスしても魚のスピードに追い付けず、ピンボケ写真ばっかり…
  • シャッタスピードが出せなくて魚がブレブレに…。

総じてカメラ任せだと、この辺がバッチリうまく設定出来ず、撮れ高不漁で帰る可能性大です。

これらを克服してうまく撮りたかったら、適当な設定を自分で導き出す必要がありそうです。修羅場に身を投じて、カメラ任せを卒業してみましょう!

暗い中でもシャッタースピードを早くする

水族館では動く生き物をメインに撮るので、ある程度のシャッタースピードが必要です。

魚はひょいひょい動きますからね、シャッタースピードが追い付けないとすぐにブレてしまいます!

IMG_6734.jpg
iso2000・f5・ss1/6秒

魚の速さに追いつけなかった失敗作例です。シャッタースピード1/6秒です。

魚を撮るなら1/100秒位のシャッタースピードは欲しいところです。
もちろん魚の動きによって全く変わりますが、意識としては最低限このくらい、かな?

もちろん、あえてブレさせることで躍動感を出すというのはアリですが、今回はドンピシャでピントを合わせて、ブレないことを目的としていきますね。

では十分なシャッタースピードを得るための方法ですが、2つのやり方があります。

  • ISO感度を妥協する。
  • 絞りを開放してゆく。
  • 暗めに撮る。

それぞれシャッタスピードを底上げすることが出来る手段ですが、違ったデメリットを併せ持ちます。一つずつ確認していきましょう。

ISO感度を妥協する

最もお手軽にシャッタースピードを稼げる手段かもしれません。

炎天下の元なら常に最低限のISO100で撮影するのも可能ですが、ISO100のまま水族館に乗り込むと話は変わってきます。

シャッタスピードだけを考慮するのであれば、常にISO感度MAXにしておけば楽々撮影が出来るのですが、これではノイズが凄いことになってしまいます。

↑例えばこの写真。ISO3200で撮影しています。

ISO感度によるノイズの出方はカメラの機種により違いますが、上げるとノイズが出る、というのは共通です。

画面全体がガサガサとしているのがお分かりいただけると思います。

シャッタースピード優先オートにして後はカメラに任せる

シャッタースピードを指定しちゃえばいかなる時もその速さで撮れるからこれが一番単純!間違いないですね。

間違いないですが、欠点もあります。
それは・・・当たり前ですが・・・F値が自動で設定される点です。
もちろんiso感度もオートにしていれば勝手に設定されますね。

F値が勝手に設定されるということは、シャッターを切るごと毎回被写界深度が変わるということを意味しています。

カメラの絞りとボケと画質・・・F値によってどう変わるか見てみましょ
一眼やミラーレスカメラ買うとまず憧れるのがボケですよね。ボケ具合はF値(=絞り)で設定しますが、F値というのは何もボケ具合を決めるだけの数字ではありません。どういう値で、いじるとどうなるのか知っておけば、思い通りの写真が撮りやすくなりま...

↑被写界深度とF値についてはこちらをご参考に。

光量を得るためにいたずらに開放側にF値が自動で設定されてしまうと、被写界深度が浅くなるので魚がちょっと奥や手前に移動しただけでせっかく合わせたピントがズレてしまうのです。

私はシグマの2.8通しのレンズを使っていますが、勝手にF値を2.8に設定なんかされたもんなら、ピントの合う範囲がシビアすぎて、ボケボケの写真が量産されてしまいます。

とはいえ、iso感度を十分に上げ、開放に近いF値を使用しなくてよい位に設定しておけば、
ある程度被写界深度も余裕をもって得られ、何の問題もなく利用できるのでかなり有用です。
(ただしiso感度上げ過ぎはノイズの原因になるので当然ご注意を。)


iso2000・f5・1/60秒

絞り優先オートでiso感度との兼ね合いを調整して決める

先の話を受けて、じゃあ被写界深度をこっちで先に決めといたら安心ですよね。
シャッタースピードも十分速くしたいけど、ピンボケしても失敗なのですから。
時間と根気が無限にあるなら、何度失敗してもF値開放でピントがジャストミートするまでトライしてもいいかとは思いますが・・・!
ある程度被写界深度に余裕を持たせておいた方がピンボケの少ない成功写真の確率は高まると思います。

私はこの日、F5周辺で撮っていました。
写りが最も良くなるとされるのは大体どのレンズでもF8あたりですが、
ここまで絞ると水族館では暗すぎるので、現実的ではありませんでした。
※この辺の数字はセンサーサイズによっても感覚変わるので参考程度でお願いしますね。

あとは、iso感度も自分がノイズを許容できるラインで予め設定しておきます。
すると、フォーカスを合わせる時点でシャッタースピードが算出されるので、
その結果が遅ければ絞りをもう少し開放するか、iso感度を妥協してもう少し高くするか、判断できます。

この方法だと、ピンボケを防ぐために被写界深度を自分で予め確保しておくことができますが、
シャッタースピードは都度変わるので、明るさの違う場所にフォーカスを合わせる度に状況がかわる、
もしくは違う水槽に移動する度に任意のシャッタースピードが出せるように設定をいじる必要があります。

もう一度言いますが、最終的に1/100秒位のシャッタースピードは得られるように設定した方がいいかと思います。

IMG_6761.jpg
iso4000・f5・ss1/100秒

ピントを素早く合わせるには

暗い、ということに関しては、最悪でもiso感度をガンガン上げていけば解決出来ます。
特に最近のカメラは高感度で撮影してもノイズはなかなかに抑えられているので、
水族館程度の暗さであれば「キツけりゃiso感度上げればまあ何とかはなる」レベルではあります。
真っ暗ではないですから、ぐいぐい上げていけばそれなりのシャッタースピードは十分に出るのです。
それに、レタッチでノイズ軽減もある程度可能ですからね。
でも基本は考えなしにiso感度を上げるのではなく、絞りでもカバーしてあげると良いですよ!

レタッチでのノイズ軽減についてはこちらご参考に。
【Lightroom】ノイズの1ドットも許さん!?レタッチでノイズ軽減の鬼になる

シャッタースピードで魚の動きを止めることが出来るとなると、
次に困るのがフォーカスです。
素早い魚にどうやってピント合わせるのか?
オートフォーカスでピントを合わせて、ピピッと鳴ってからシャッター押すだけじゃ、
常に動き続ける魚に対しては遅すぎるのです。

フォーカスが合ってからシャッターを押すまでの間に、魚は移動しますので!

AIサーボAF/自動追尾AF

メーカーによって呼称は様々ですが!
動いているものを追尾してフォーカスを合わせ続けるフォーカスモードに設定して撮ってください。
スポーツ・子供・動物・・・動くものには基本これで挑みましょうね!

被写体を追っかける速さはレンズのスペックに依存します。
あまりに被写体の動きが速すぎると流石に限界があります。
このフォーカスモードで魚の動きに追いつけないという場合は、これから紹介する方法を試してみてください。

置きピン

電車を撮る、撮り鉄の方々がよく使用するテクニックです。
「被写体が通る場所に予めマニュアルフォーカスでピントを合わせておき、被写体が通ったらシャッターを押す」
という方法です。鉄道の場合は線路があるので、任意の場所を被写体が通ることは確定していますが、
水族館の生き物の場合は、同じ動きで何週もしてる周回コースのある一点、ピンポイントにフォーカスを合わせておいて、
待ち伏せをするという戦略で使えます。


iso500・F2.8・1/500秒

この写真は光の筋と一緒に魚を撮りたかったので、周辺にピントを合わせて待ち伏せしました。

マニュアルフォーカス

熟練すれば最強とも名高いフォーカスの手段。
単純に、他の何者でもないマニュアルフォーカスです。

フォーカスリングで、自分でフォーカスを合わせます。
被写体が動いたら、追いかけるのも自分。
止まってる被写体にフォーカスを合わせるのも自分。

頑張ってください。(丸投げ)

フォーカスについては、被写体が何でも困った末に行きつくのは常にマニュアルフォーカスです。
自分でやってるんですから、被写体を誤認して要らん所にピントが合ってしまうことも無いですし、
動体を追いかけてる最中に別の対象を追いかけ始めちゃったり、
そういうAIの限界を越えられるのはやはり撮影意図を知っている自分自身しかいないっちゅうことです。

IMG_6990.jpg

AIサーボAFに任せると葉っぱにピントが合ったり、タツノオトシゴにピントが合ったり、
カメラが迷ってしまいがちな場面。
判断力に関しては人がやる方が間違いないが、精密さでは機械に勝てない。
ヘタクソだとこんな感じでピントがバッチリ合いきらない(泣)

まとめ

暗い中で素早い生物が動きまくる水族館での戦い方でした。

暗いということは、シャッタースピードが遅くなっていくので、
絞りかiso感度でカバーする必要があります。
被写界深度に余裕を持たせるか、ノイズを最小限に抑えたいか、
優先すべき事項を都度考えて設定を調整しましょう。

また、動くということは、ピントを合わせるのに苦労するということです。
被写界深度が深ければそのハードルは低くなるので、
ボケ感やシャッタースピードを考慮しないとすると、絞り込んだ方がピントは合わせやすくなります。
ただ、それだけでは限界があるので、追尾型のAFや、置きピン・マニュアルフォーカスなどを駆使した合わせ方も覚えておきましょう。

水族館での撮影が上手く出来れば、
同じ暗い場所という意味では、夜景の撮影なんかは随分楽に感じるかもしれません。(動かないですから!)
動くという意味では、昼間の動物園なんてばっちり素敵な写真を沢山撮れるようになるでしょう。(暗くないですから!)

だから、水族館は脱初心者の登竜門だと思います。
とかいいつつ上級者でも難しいシチュエーションであることは間違いないです。
あえて難しいところで四苦八苦してみれば色々覚えらると思うので、お勧めですよ!

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