過去に撮った自分の写真を見ていると、当時はよく撮れたと思っていたのに、改めてみると「あーあー、、こんな撮り方しちゃって・・・」と思うこと、多々あります。少しばかり目が肥えたわけです。
今回は、初心者の間はスルーしがちな写真の粗を見ていきましょう。
上手くなると目が肥える?
良くも悪くも、少し写真が上手くなると、それに合わせて少し目が肥えていきます。
初心者の頃はただただ一眼やミラーレスの画質で撮れることが嬉しくて、何を撮っても「うおおぉぉぉーーー!!最高だぜーーー!!」な気分になるのですが、ちょっとこだわり出すと「ノイズが・・・」「解像しきってないな・・・」「切り取りが・・・」等々、気になることがどんどん増えていくのです。
そうするうちにズブズブと機材沼にハマっていくわけですが、それはまた別の話として。今回は初心者の間は意識しないと気付けない、でも目が肥えると気になって仕方なくなる写真の粗をご紹介。
実際に私が過去に撮ったもので、「もっとこうしたかった・・・!」と後悔を残している写真を無加工でお見せします。こいつらに気を付けて、ワンランク上の写真を目指しましょう。
初心者が見落としがちな粗
ノイズ
iso感度をガンガン上げれば、かなり真っ暗な環境でも一瞬でシャッター切れますよね。
「上げれば上げる程ノイズが出るからiso感度はなるべく低い方が良いとは言うけれど、撮った後ライブビューで見た感じ、ガンガン上げても問題無さそうだし、めんどくさいから昼夜問わずiso感度ガンガン上げて撮ってますわ。」
ノイズによる画質の荒れがよく分からない間はこう考えてた時期がありました。実際、iso感度マシマシで撮ってもライブビューで見ると撮れ高良好に見えるんです。
iso6400で撮影
それ、小さい画面で見てるからですよ!
スマホでの鑑賞には耐えるかもしれませんが、iso感度を上げ過ぎると大体PC画面で見た時、或いはプリントアウトした時に絶望します。
実はそのまま拡大するとこんな感じで荒れています。ガサガサしている感じ、分かりますでしょうか。葉っぱの一枚一枚が描写し切れておらず、線が溶けちゃってます。
こうならない為にも、手ぶれしない範囲で可能な限りiso感度を下げて撮影した方が良いですね。被写体ブレしない、手ぶれしない範囲で、外の明るさに合わせて都度可能な最低感度で撮るように心がけたいものです。
ボケ
ピンボケのことです。当然ですが、ピントというのは一番見せたい被写体にバッチリ合わせなきゃいけません。ここを妥協してしまうと、肝心な場所がボケて、何を見せたかったのか分からない写真になるかもしれません。
例えばこの写真。
桜の背景に建物をぼんやりと写した写真。
なんとなく雰囲気は日本っぽくて好きだったのですが、張り切ってA4サイズにプリントアウトしてみてビックリ、実は真ん中に陣取っている桜の花びらにピントが合ってなかったんです。
その代わり、上と左の端の微妙な場所にバチコーーンとピントがジャストミートしていました。
絞りをもっと絞ってピントの合う範囲(=被写界深度)を広く取るか、最も目につく場所にピントがジャストミートするようにもっと時間をかけて吟味すればよかった場面ですね。
ブレ
カメラの液晶画面で拡大をせずに撮れ高チェックをしていると、些細なブレを見逃すことも多々あります。
例えばこちら。
手持ちでの夜景撮影でしたが、これを撮った当時の私はこの上なく完璧に写し取れたと思っていました。さあ、どうでしょうか?例の如く拡大してみましょうか。
若干ですが、光源が線になってますよね。斜めに手ぶれした証拠です。
テレビ画面に撮った写真を映して鑑賞会をしている最中にやっと「ブレてたのか!」と気づきました。遠目で見ると気付きにくいですが、気付いてしまうと個人的に複雑な気持ちが拭いきれません。
これもやはり、撮った後にライブビュー画面のサイズででチラッと確認しただけでは気付けません。渾身の一枚はライブビュー画面で撮った写真を拡大して確認する癖をつけるとよろしいです。
近頃私は撮っては拡大して確認しています。
角度
普段水平に気を付けて写真撮ってますか?どうでしょう??
スマホでちょっと撮る位しかカメラを触らない人でも、几帳面な方は神経質すぎる程に意識している場合もあれば、逆になんとなく構えて撮るだけで、意識したこともなかった!という方も多いはず。
水平・垂直な線が被写体になる写真…例えば建物とか水平線とか、そういう被写体を撮る場合には意識しないと、傾いてるとちょっと格好がつかなくなるかもしれません。
こちら失敗作例。
襖と柱と畳という直線が多いこの構図で、傾いているとモロバレですね。。見るときも少し首をかしげて見てしまうかも。
水平・垂直に補助線を描くともっと分かりやすいですね。数度ですが、傾いています。平行線って、ほんのちょっとズレただけで違和感に気付きますよね。
カメラの水平器機能を使ったたり、フォーカスポイントを目印にしながら、
傾かないように一枚一枚撮りましょう。
傾きはあとでいくらでも編集出来ますが、角度を修正すると必然的に周りをトリミングする運命になるので、編集無しで、自分の決めた構図で一発でキメられるようにしておくと良いでしょう!
フレア・ゴースト
逆光気味だったり、強い光が入ってきた時に、光源を中心に発生する光の玉のようなものがゴースト、光源以外から光が入って画面が白くモヤっとするのがフレアです。
手持ちにあまりいい失敗作例がありませんでした(滝汗)
この上なく「なんでもない写真」ですが・・・^^;
一応フレアとゴーストの映り込んだ例としてみて下さいましね。
右上、太陽(=光源)は直接写っていないのに、強い光に影響されて白くモヤついています。これにより、シャープさとコントラスト、色彩が損なわれます。
また、右上から左下にかけて、いくつもゴーストが確認できると思います。どちらも対策は同じ方法で、いくつかあります。
①構図を少し変える
②レンズフードを付ける
③絞りを開放(=F値を小さく)していく
④フィルターを外してみる
⑤お高いレンズを付ける
ちなみに、ゴースト・フレアが写ったら全部NG!というワケではないですよ!
最近はオールドレンズが一大ブームになっていて、あえてフレアやゴーストを発生させて雰囲気のある写真作りをしている方も沢山いらっしゃいます。
NGなのは意図しないゴースト・フレアのせいでメインの被写体を隠してしまったり、鑑賞の妨げになってしまう場合です。
まとめ
今回挙げた5項目は、私がカメラを始めた頃に人に指摘されたり書籍で知るまで自分で意識出来ていなかったことです。
特にブレ・ボケ・ノイズに共通して言えることは、「ライブビューの小さい画面で簡単に確認しただけでは発見しにくい粗」ということです。
うまく撮れたと思ったのに、PC画面でみるとショボかった・・・と悲しい思いをすることが当時は多かったです。
そうならない為にも、この3点に対して私の場合は撮った後に拡大して見るようにしています。ちなみに、今回のサムネイル画像も、このサイズで見れば悪くない写真だと思う(個人的に)のですが!
拡大すると実はシャープに写し切れていません。デジタル写真主体の現代においては、PC上の編集でうまくやりこめることも出来るようになりましたが、修正にも限界があります。やはり現地で一発、上手に撮れるのが前提ですので、今回挙げた点、意識してみると失敗が少なくなるかもしれません!
それでは!
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