思い切ったレタッチが好きだ。楽しい。
ただ、下手に撮って出し(レタッチ無し)の状態からかけ離れたやりすぎレタッチをすると黒歴史になります。芸術志向の大胆なレタッチで遊ぶなら、画質の劣化についても留意してみると上手に仕上がるかもです。
私が昔よくやってたレタッチ
写真のレタッチというものを覚えたばかりの頃の私というのは、たまに写真の作品化と称してとにかく何でもかんでもお構いなしに
「彩度MAX!!!!コントラストMAX!!!!明瞭度MAX!!!!」
みたいなレタッチをしていました。だって、メリハリがあって、すごく発色が良くて、目に飛び込んでくる写真が出来上がるのですもの。
好みの変化もあって最近は落ち着き気味なのですが、その頃にレタッチしたどぎつい写真をみると、面白いものもあるんですが、粗が目立つんです。
「修正・補正する」レベルを超えて、「着色する」イメージでレタッチをすると、常に頭を悩まされるのがノイズや白とび・黒つぶれ、あと極端に不自然な描写。
遊び心のままに楽しむレタッチ、めっちゃ楽しいんですけどね、無い色を出したり無理に濃淡を付けようとすると、上手くやらないとボロが出てきます。
糞レタッチをしてみる①
さて、いきなりですが、糞みたいなレタッチをしてみようと思います。
とにかく色彩で目を引くような、ギンギラギンな写真を作ります。それ以外は一切なにも気にしません。
お題はこちらのお写真。
解像しきってないのはさておき。
花びらに止まったハチを大きめに画面に収めることが出来ました。ただ、画面全体が少し灰色がかった感じがして、花らしい鮮やかさには若干欠ける写真です。
そこで私は考えました。
取り敢えずコントラスト上げればドンヨリした感じは消えるだろう。ガンガン上げよう。勿論色合いが地味だから彩度を上げよう。ガンガン上げよう。あとは露光量も上げて明るくしてやろう。
さあ、今こそ顕現せよ!#ファイダー越しの私の世界!!!
はい、かなり極端にやってみました。
色彩は確かに、パッと目を引く鮮やかさになったと思います。ただ、粗が目立ちすぎるのです。
生まれ出づる謎のフチ
例えばここ。謎過ぎるフチ取りが生まれました。
コントラストを上げ過ぎたせいか、フチのメリハリが付きすぎる程に付いてしまい、それに留まらず、彩度までガンガン上げてしまったので、強調されたフチに謎の色がついてしまった・・・と思われます。推測ですが。
アートとして現実離れした写真に仕上げるのは大いにアリだと私は思いますが、これは多分、アートではないです。下手です。
自然なボケが台無しに
あとはここ。
背景ボケ写真の彩度を上げすぎると、水彩絵の具をこぼして滲んだような、これまた謎の模様が浮かび上がってきます。
そして、この彩度を上げ過ぎたボケ部分は、気色悪すぎて非常に悪目立ちします。
実際、この写真も10秒以上見ているとハチよりも左のボケの方が気になって仕方ありません。
この写真にもしタイトルを付けるなら、「深淵を覗く時、深淵もまたこちらを覗いている」といった所でしょうか。もはやハチの写真じゃなくなりました。
糞レタッチをしてみる②
さて、沢山のほころびを残しながら世界に色彩を取り戻した私は次の写真を手に取ります。
この写真は。肉眼で見ると雲の切れ目から所々光が差し込む美しい景色だったのに。写真に撮っただけでどうしてこんなに色あせてしまったのか。あの時の感動を、レタッチで表現せねば。
今こそ再臨の時!#ファインダー越しの私の世界!!!
今回は基本思想である「コントラストMAX!!!!彩度MAX!!!!」に加え、更に一工夫加えています。ブルー単体の彩度と色相をいじっています。
おかげで青・緑・オレンジ・黄色と、様々な色が織りなす写真に仕上がりました。
確かに、サムネイルサイズで見ると「おっ!」と思わせる非日常的な色合いの写真ですが、
なんというかもう、とんでもなく酷いです。
不自然に切り貼りしたような雲
まずはここ。
ブルーだけ強く色合いをいじってしまったので、ブルーと隣り合っていた色との境目が不自然になっています。
単色だけ弄る怖さはここにあります。自然界、特に空においては、色は連続していますから、
色のグラデーションの中の一色だけを編集すると、色の繋がりが不自然になるのは当然です。
おかげでこの写真も、濡れて破れたティッシュが写真に貼り付いた~みたいな仕上がりになってしまいました。
すさまじいノイズ
次にここ。
これは・・・見ての通り、ノイズがすごいです。
ガサつきだけでなく、ピンク・緑系の不要な色が乗っているのでカラーノイズもですね。
発生する詳細なプロセスが私には分からないのですが、概ね彩度を極端に上げ過ぎたのが原因だと思われます。
もしスマホサイズで鑑賞に堪えられるとしても、とてもじゃないけど印刷に堪える出来とはいい難いです。明るい場所全域の及んでいるのでどう考えても致命傷でしょう。
黒つぶれする被写体
最後にここ。
これは元写真の時点であまり良くなかったのですが。。
コントラストを上げ過ぎたせいで暗い場所が一層暗くなってしまいました。もう、橋などもとから無かった、と言わんばかりです。
まとめ
レタッチをする時、パラメーターをどんどん上げていくと写真がみるみる様変わりしていくので楽しいんです。
個人の好みもあるかと思いますが、実際、現実とはかけ離れていてもアートとして大胆にレタッチされた写真を見てるとワクワクするもんです。
ただ、安易に「ガンガンいこうぜ」しちゃうのには気を付けて。今回の糞レタッチ程ではなくても、どこかが悲鳴を上げてるかも。大胆にいきたい時こそ、繊細になるべきです。
ご参考にして頂ければ幸いです。
ではでは。
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