そのレンズ、あなたのカメラで使える?レンズ購入前に自分で確認する方法

初心者向け

「私のカメラは○○ですが、このレンズは使えますか?」

アマゾンで一眼レフやミラーレスカメラ用の交換レンズを見ていると、カスタマーQ&Aでよくこのような質問を見ます。


う〜ん、不安ですよね。大枚はたいて購入したのにそもそも使えなかったら泣いちゃいますよね。

でもいちいち人に聞くの面倒くさくないですか?そろそろ自分で判断できるようになりましょうか。メカに弱くても大丈夫、確認しないといけないことはそんなに多くないのですよ。

レンズ購入時は「レンズマウント」をチェック


このレンズは自分のカメラで使えるのだろうか?

結論から言うと、自分のカメラで対象のレンズが取り付け可能か確認するのに必要なのは第一に「レンズマウント」です。

それに加え、対象のレンズが「APS-C用」か「フルサイズ用」かも確認出来れば完璧です。

あなたのカメラの”マウント”は?



マウント
とは、レンズとカメラの結合部分の形状(規格)のことです。

各メーカーのカメラは基本的に自社独自のマウントを有しており、他社のマウント用に設計されたレンズは取り付けられません。

キヤノンのカメラにニコンのレンズをそのまま付けようとしても取り付けられません。この状況を例えて言うなら、USB端子にHDMIケーブルを挿そうとしているようなものです。

自分のカメラがどのレンズマウントを備えていて、買おうとしているレンズが備えているレンズマウントと一致しているか否かが判断の鍵となります。



ここからは主なマウントの種類をメーカー毎にご紹介します。自分の持ってるカメラメーカーの項まで飛ばしちゃいましょう↓↓↓

キヤノンの方

RFマウント

2018年に発売されたキヤノンのフルサイズミラーレス機である「EOS Rシステム」シリーズ用に開発されたマウントです。

「EOS R」を初め、「EOSRP」や「EOS R5」等、名前に「R」が付くカメラに採用されています。

EFマウント

キヤノンのカメラで昔から採用されているマウント。「EOS○○D」や「EOS Kiss」と名の付くカメラに採用されています。

EF-Mマウント

キヤノンの小型のミラーレスカメラに採用されているマウントです。
「M」が名前に付くカメラはこのマウントを採用しています。

ニコンの方

Zマウント


2018年から発売されたニコンのフルサイズミラーレス機で採用されているレンズマウントです。

キヤノンのRFマウントとはほぼ同期にあたります。名前に「Z」のつくカメラに採用されています。

Fマウント

ニコンのカメラで昔から採用されているレンズマウント。かなり昔のものを除けば、長らくの間ニコンのカメラは主にFマウント一本でした。

なんと誕生は1959年。かなり古いレンズでも現行のカメラでそのまま使用できることが多いという所が魅力的。

名前に「D」のつくカメラに採用されています。

ソニーの方

Eマウント

ミラーレス一眼カメラの開発にいち早く乗り出したソニーが開発したミラーレス一眼カメラ用のレンズマウントです。

一眼レフカメラである2機種を除くほぼ全てのソニーのカメラがEマウントを採用しています。

Aマウント

ミラーレス一眼カメラを主力とするソニーですが、過去にα77Ⅱとα99Ⅱという2種類だけ一眼レフカメラをリリースしています。

Eマウントを搭載したミラーレス機がバカ売れしている現在、ソニー自身もサードパーティのレンズメーカーもAマウントレンズの開発には積極的ではなく、レンズのラインナップはとても控えめです。

ペンタックスの方

Kマウント

ペンタックスのカメラを持っているならレンズのマウントはKマウント一択です。

1975年から使用されている歴史の長いレンズマウントです。少しずつアップデートが加わっていますが、形状自体は変わらず今も昔もKマウント一本。

富士フイルムの方

Xマウント

富士フイルムのカメラを持っているならレンズのマウントXマウント一択です。

オリンパスの方

マイクロフォーサーズマウント

2008年に登場した3/4型のイメージセンサーを搭載したカメラに採用されているレンズマウント。

マイクロフォーサーズ規格のカメラはオリンパスとパナソニックから発売されており、パナソニックのマイクロフォーサーズカメラとレンズを共用出来ます。

パナソニックの方

Lマウント

ライカ、パナソニック、シグマ3社共同で「Lマウントアライアンス」を結び、各社の開発を続けているレンズマウントです。

LUMIXブランドのAPS-Cサイズ、及びフルサイズミラーレスカメラで採用されています。

マイクロフォーサーズマウント

2008年に登場した3/4型のイメージセンサーを搭載したカメラに採用されているレンズマウント。

マイクロフォーサーズ規格のカメラはオリンパスとパナソニックから発売されており、パナソニックのマイクロフォーサーズカメラとレンズを共用出来ます。

あなたのカメラはフルサイズ?APS-C?

一般的にカメラのセンサーのサイズには

  1. フルサイズ
  2. APS-C
  3. マイクロフォーサーズ

の三種が存在します。

レンズもそれぞれ「フルサイズ用」「APS-C用」「マイクロフォーサーズ用」と、用途が分かれています。それぞれに対応したレンズを買わないと、意図しない画角になったり、メーカーによっては互換性がなかったりします。

それぞれのセンサーサイズに合わせた判断のしかたをお伝えします。

フルサイズの方

キヤノンを除き、フルサイズ機にはフルサイズ用のレンズに加え、APS-C用のレンズも装着することが出来ます。

サラッと言ったけど“キャノンを除き”って部分、要注意だからね。


ただし、APS-C用のレンズはフルサイズよりも小さいセンサーサイズに合わせて設計されているので、撮影すると周囲にケラレが発生します。


ケラレ(※イメージです)

カメラ側の設定でAPS-C用のレンズを装着している際にはケラレの写り込む範囲を切り取って撮影データ化するよう設定できる機種もありますが、要は中央部分にトリミングを行うことになるので、フルサイズ本来の画素数で撮影が出来なくなります。

フルサイズ機にAPS-C用レンズを取り付けるシチュエーションとしては、APS-Cからフルサイズに乗り換えたけど、まだフルサイズ用のレンズを揃えてないからやむなく使用する…といった場合が多いかと思います。

特別意図が無い限りはフルサイズ機をお持ちなら、新しくレンズを購入する際はフルサイズ用のレンズを選択するのがベターです。



尚、先述の通りキヤノンのフルサイズ機ではAPS-C用のレンズを使用できないので、キヤノンのフルサイズ機をお持ちの方はフルサイズ用のレンズを使う他ありません。

APS-Cの方

フルサイズ用、APS-C用のレンズが使用できます。

尚、APS-Cとフルサイズはイメージセンサーの大きさが異なるので、画角も異なります。

具体的にどうなるのかと言うと、APS-C機用のレンズをフルサイズ用のレンズを装着すると、焦点距離が1.6倍(ニコンは1.5倍)になります。

例えば焦点距離50mmのフルサイズ用の単焦点レンズをAPS-C機で使用すると、1.6倍の焦点距離80mmで撮影することになります。

要はフルサイズ機で本来使用する際よりも少しズームした状態で撮影することになります。

なので、フルサイズ用のレンズの仕様として記載されている焦点距離を1.6倍(ニコンは1.5倍)し、APS-C機で使った際の焦点距離に換算して判断する必要があります。

APS-C機をお持ちならAPS-C用のレンズを買えばこのようなことは一切考えなくてよいのですが、APS-C機使用者がフルサイズ用のレンズを買うシチュエーションとしては以下のような例があります。

  • いずれフルサイズに買い替えたいけど、APS-C用のレンズを揃えるといざフルサイズに移行した際に手持ちのレンズが全て使えなくなるから、APS-C機持ちだけどフルサイズ用レンズを買う。
  • 各メーカーの高級レンズはほぼ全てフルサイズ用に作られているけど、自分のAPS-C機で使ってみたい。
  • 各メーカーの安価な単焦点レンズラインナップ、所謂「撒き餌レンズ」はフルサイズ用に設計されているけど、自分のAPS-C機で使ってみたい。


このような場合に、「フルサイズ用のレンズを選択するか否か…」という選択を迫られがちです。

焦点距離が表記よりも望遠側に寄るだけで、それ以外に問題は無いので欲しければ買っちゃいましょう。

APS-C機で使用した場合の焦点距離の換算だけはお忘れなく。

マイクロフォーサーズの方

迷うことはありません。

マイクロフォーサーズ用のレンズのマウントはメーカーに関わらずマイクロフォーサーズマウント一択なので、レンズマウントの選択さえ正しければ問題なく使えます。


フルサイズ用・APS-C用のレンズにマイクロフォーサーズマウントのレンズは無いのでご安心ください。

まとめ

レンズの購入を検討する際には、自分の持っているカメラのレンズマウントが何なのかをしっかり確認するようにしましょう。

そのうえで、自分のカメラのセンサーサイズがAPS-Cサイズなのか、フルサイズなのかという点にも留意しましょう。

APS-C機でフルサイズ用のレンズを使用する場合は、35mm換算で焦点距離を計算し、意図した使い方が出来そうか予め確認しておくと良いでしょう。

これが分からないと自分のカメラで使えるレンズを探すことも出来ないので、きちんと頭に入れておくようにしましょうね!

コメント